映画好きの気まぐれ日記

映画館について気分で色々書いてます。連日更新もあれば全く更新しない時期がありますのでご承知おきを。

時代は早くも脱4Dへ?4Dシアターを通常シアターに戻す映画館が登場。

映画館といえば今ではただ映画を鑑賞するのではなく「IMAX」「4D(4DX/MX4D)」「ドルビーシネマ」などといった、特殊上映システムで楽しむのもまた1つの映画鑑賞の方法でもありますね。

今回そんな4Dシアターを通常スクリーンに戻すという前代未聞の事例が出てきました。

 

客層の不一致も?「TOHOシネマズららぽーと横浜」のMX4Dが2021年8月末をもって営業終了していた。

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画像引用

1枚目:グルメガイド|ららぽーと横浜 (mitsui-shopping-park.com)

2枚目:TOHOシネマズららぽーと横浜 | ららぽーと横浜 (mitsui-shopping-park.com)

 

「TOHOシネマズららぽーと横浜」はその名前の通り三井不動産系の大型商業施設ららぽーと横浜”内の核テナントとして出店しているシネマコンプレックスです。13スクリーン約2400席と国内でもトップクラスの規模を誇る映画館です。

また2016年には12chに対応したIMAXデジタルシアター」も改装導入されており、MX4Dも同時期に改装して導入されていました。

 

 

突然HPに”スクリーン8休映”という旨でMX4Dの営業終了が明かされている。

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HP上も見出しはMX4D営業終了ではなく、あくまで「スクリーン8を休映」してますって記載の仕方なので言われないとそもそも4Dの営業終了してるとは気づかないかもしれません。TOHOシネマズのMX4D特設サイトは早くも導入劇場から「ららぽーと横浜」の文字が消えています。(以前はたしか川崎の横にあったはず)

 

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www.tohotheater.jp

 

 

なぜ4Dシアターが営業終了となった?

ここ数年間は通常スクリーンを4Dシアターに改装して導入するという事例がとても多かったです。ところがここにきて逆に4Dシアターを通常スクリーンに戻すという事例が出てきました。なぜ営業終了させる必要があったのか?

 

維持コストと集客のバランスが合っていなかった?

ここから先は私も業界関係者ではないのであくまで憶測の話になりますが、4Dシアターを導入するというのは当然ながら通常のスクリーンを導入するよりも導入コストがより多くかかる。(そりゃ変わらないなら全国どこでも4D採用されててもおかしくないですからね)

TOHOシネマズで採用されている”MX4D”の場合は米国・MediaMation社というメーカーが開発したシステムで、この会社の設計したシートおよびギミックの導入、さらに定期的なメンテナンスを行うことで採用されています。(4DXの場合は韓国のメーカーが開発したシステムで内容としてはMX4Dとほぼ同様)

 

4D上映は追加料金が1000~1200円なので映画館としてもかなり客単価が上がるというメリットもありますが、客入りが悪ければ当然映画館の収入もそこまで得られない一方で4Dを開発したメーカーに維持コストとして払うことになってしまって却って利益が出ない可能性も十分考えられます。

ららぽーと横浜は横浜市都筑区というベッドタウンに位置し、ファミリー層が多いというイメージも持てます。ただでさえ1回映画を鑑賞するのに1000~1900円というのに、4D上映だとさらに1000円上乗せで1人当たりの鑑賞料金は2000~2900円となります。下手すればもう1回映画が見られる値段と思うと結構手を出しにくいという人も多いでしょう。ましてや家族4人で観に行くとしたら4000円も値段が変わってきてしまいますからね。

私も映画はよく見ますが、実は4D上映は指で数えるほどしか行ったことがありません。やっぱ追加料金に充てる分を色々な作品見るのに廻したいなーという気持ちもあるんですよね。

 

4Dシアターを通常スクリーンに戻すメリットは?

上記の通り、4Dシアターを導入することは通常よりもコストが多くかかるというデメリットもありますが、それに加えて通常スクリーンに戻すメリットもあります。

 

それは「スクリーンのキャパシティが多くなる」ということです。実際に今回のスクリーンの場合は元々の4Dシアター時代が112席しかなかったものが、通常スクリーンに戻ることで211席と約2倍にキャパが増えるようです。4Dシアターは「専用シートの採用」「スクリーン前側に煙を発生させるギミックなど導入」などといった事情もあり、通常スクリーンとして営業するよりもかなり座席数が減ってしまいます。

 

また「TOHOシネマズららぽーと横浜」は全国でも有数の観客動員が多い映画館ですので、4Dシアター需要がそこまでないなら通常スクリーンに戻してキャパ増やそうっていう狙いがあるのも間違いないでしょう。

 

 

元々、最近のTOHOシネマズはMX4Dとは疎遠気味だった。

TOHOシネマズにおける”MX4D”は2015年に「ららぽーと富士見」に初採用されてから数年で全国17館まで導入されていましたが、2017年11月にオープンした「赤池」を最後にそれから一切MX4Dの新規導入がされていない

 

そのTOHOシネマズは現在何に注力しているかというと

  • IMAX
  • 「轟音シアター(サブウーファーを強化した重低音をウリとした音響)」
  • 「プレミアムシアター(TOHOシネマズ独自規格プレミアムスクリーン)」

の3本柱で新規オープン館中心に積極的に採用されています。

 

 

今後のMX4Dの行方は...

今回4Dシアターが撤退という事例も出てきましたのでTOHOシネマズにおいては動員が多いかつ4Dシアターの稼働率が高くない映画館は順次撤退という可能性も大いに考えられるでしょう。

特にファミリー層が多い郊外に採用されている場所においては結構その可能性が高いかなとも思われます。