『ゴジラVSコング』はワーナー・ブラザース(アメリカ)と東宝(日本)が提携して制作している「モンスターバース」シリーズ第4弾として製作された作品です。
長らく新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開日が引き延ばし状態になっていましたが、北米での公開日決定に伴い日本国内でも2021年5月14日(金)公開に決定しました。
しかしながら実は日本国内での公開日は「世界最遅公開」なのであります。なぜこうなってしまったのか?
元々は日本が「世界最速公開」となる予定だった・・・?
北米はじめ世界各国では2021年3月26日(金)に劇場公開されることとなりました。
これに対して日本は2021年5月14日(金)と世界各国から約1.5~2か月遅れとなってしまっています。これには日本だけ配給事情が異なることも影響しています。
世界各国では「WB」、日本のみ「東宝」が配給を担当する
日本を除く海外各国は「ワーナー・ブラザース(以下、WB)」が配給を担当しますが、日本のみ”ゴジラ”の生みの親でありこの作品の製作にも関与する「東宝」が配給を担当します。
元々北米では2021年5月21日(金)に公開する予定だった
さらに話を辿れば元々2020年3月13日(金)に公開する予定でした。しかしながら皆ご存知の通り新型コロナウイルスの感染拡大で、20年5月22日→同年5月29日→同年11月20日→2021年5月21日(金)と延々と公開日を引き延ばしになったワケであります。
この時点で東宝が2021年5月14日公開と公表していたわけではないので真相は不明ですが、この点から世界より1週早い「世界最速公開」を狙っていたのではないか?と考えることができます。
北米での「HBO Max」同時配信を条件に公開日が前倒し!
しかしながらWBは劇場公開と共にアメリカ筆頭に展開されている配信サービス『HBO Max』(日本国内は未採用)での同時配信という前提もあってか、WBが配給を行わない日本を除く世界各国では2021年3月26日(金)公開と当初より2か月近く前倒しとなっています。
もし前述の通り世界では5月21日公開予定の時点で、日本では「世界より1週早い5月14日公開」として決定していたのならこの公開日前倒しは日本国内の配給を担う東宝としてはかなり想定外だったのではないか?と考えることもできます。
日本(東宝)はWBの公開日前倒しに対応できなかったのか?
世界的に公開日前倒しなら、日本国内の配給を担う東宝も「公開日前倒し出来なかったのか?」という疑問は出てくるでしょう。しかしながら東宝の直近のラインナップをみてみると結構スケジュールが過密に詰まっており、世界各国同様に前倒しすることは興行的な面も考慮すると不可能であったと考えられます。
- 2月26日「GET OVER~JAM Project THE MOVIE~」(※)
- 3月12日「ブレイブ~群青戦記~」
- 3月12日「映画しまじろう2021」(※)
- 3月19日「奥様は、取り扱い注意」
- 3月26日「モンスターハンター」
- 4月2日「劇場版シグナル~長期未解決事件捜査班~」
- 4月9日「映画バイプレイヤーズ」(※)
- 4月16日「名探偵コナン 緋色の弾丸」
- 4月23日「映画クレヨンしんちゃん2021」
- 4月29日「アーヤと魔女」
- 5月14日「ゴジラVSコング」
基本的に同日に同配給作品を2作品同時に公開するというのはよっぽど客層が異なり食い合わないというケースでもない限りあまり行われない。(ただし直近だと昨年12月25日に「劇場版ポケットモンスターココ」と「映画えんとつ町のプペル」が東宝配給として2作品同日公開されている)
そして大前提に既に公開日が決定している作品をどかして前倒しにするのはタブーというか不可能でしょうからやはり現状の公開日で公開するしかなかったかと思われます。ましてや仮に4月公開としたとしても大ヒット本命である名探偵コナン等と限られた上映回数や座席の取り合いになるようだと得策ではないでしょうしね。
そしてポジティブにとらえれば5月公開となれば大分気候は暖かくなっており、コロナも落ち着いていることが考えられるので客足が徐々に戻っている可能性も大いにあるのでヒットする可能性も十分に考えられます。
総括
というわけで恐らく「世界最速公開を目論んでいたのに思わぬ形で日本だけ公開が遅れてしまった?」わけですが、現状ハリウッド大作としてとりあえず公開日も決定した数少ない作品の1つであることには間違いありません。3か月先とまだまだ長いですが楽しみに待ちましょう。