実写版ムーランの一件から最近は全くディズニー配給作品をかけていなかった「TOHOシネマズ」「松竹マルチプレックスシアターズ(SMT/MOVIXやピカデリー)」「ティ・ジョイ」の大手シネコンチェーン3社ですが、8月13日(金)公開予定の『フリー・ガイ」から久々に上映が再開される模様です。
そもそも「TOHOシネマズ」筆頭大手3社はなぜディズニー作品をしばらく上映していなかったの?
詳しい事情は上記のリンクサイトに細かく書かれていますのでそちらを参照ください。まあ簡単にディズニーとTOHOシネマズ等の関係が微妙になった理由を簡潔に述べていくとこんな感じです。
- 新型コロナの影響で「ムーラン(実写)」の公開日が数回にわたって延期が繰り返される、この間も映画館側は劇場公開してくれると信じてムーランの宣伝を行っていた。
- しかしながらコロナ収束の兆しがないためディズニーは劇場公開を断念して自社の配信コンテンツ「Disney+」での独占配信とした。映画館側にしてみれば結果的にディズニープラスの配信コンテンツの宣伝に利用されてしまった。
- 劇場公開断念はムーラン実写だけにとどまらず「ソウルフル・ワールド」に関してもDisney+での独占配信に決定。
- 全興連(日本の映画館の組合みたいなもの)が「ムーラン」「ソウルフル・ワールド」のような方式をこれ以上取るようであれば上映しないという趣旨をディズニーに伝達(ただしシネコン側がディズニー作品を上映するか否かは自由で強制ではない)
- この結果、同時配信という措置を取っているディズニー作品を引き続き上映する「イオンシネマ」など、全興連の趣旨に則って上映しない「TOHOシネマズ」などという形でシネコンチェーンの判断が分かれている。
ってなわけでこの騒動後もディズニー配給作品は「ラーヤと龍の王国」「クルエラ」「ブラック・ウィドウ」「ジャングル・クルーズ」と公開されますが、大手シネコンチェーンの判断で上映するか否かの対応がハッキリ分かれています。
- ○イオンシネマ
- ○ユナイテッド・シネマ
- ○シネマサンシャイン
- ○コロナシネマワールド
- ▲109シネマズ(ブラック・ウィドウよりディズニー作品上映再開)
- ×TOHOシネマズ
- ×松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX/ピカデリー)
- ×ティ・ジョイ
ところがここにきて8月からディズニー配給作品を「TOHOシネマズ」はじめとした3社でも上映が再開されそうな兆しが見えてきました。
「フリー・ガイ」は同時配信ではないことが上映再開への1つの要因か?
8月公開予定の「フリー・ガイ」、9月公開予定の「シャン・チー/テン・リングスの伝説」に関しては米ディズニーが同時配信ではなく45日間(約1か月半)劇場独占上映となるという方式をとることが発表されました。
「ラーヤと龍の王国」が完全に同時配信、「クルエラ」~「ジャングル・クルーズ」が配信日の前日から劇場公開という一休さんのトンチみたいな方針をとっていた状況を考えると、配信に比べて劇場での独占期間も大分増えたことが分かります。
そしてそもそもの話ではありますが同時配信ではなかったFOXサーチライト系の作品(ディズニー配給作品)である『ノマドランド』は実はTOHOシネマズなどでも3月に普通に上映されていますので、やはりディズニー作品が全面的にアウトというよりは同時配信というのが全興連の趣旨的に引っかかるというのが分かります。
こんなこともあってか長らくディズニー作品を上映していなかった「TOHOシネマズ」「SMT」「ティ・ジョイ」でも『フリー・ガイ』『シャン・チー...』が公開予定作品としてラインナップに加入されています。
ただしディズニーの気が変わってまた同時配信(または配信日の前日公開)なんて措置を取れば、全興連の趣旨に則って再びTOHOシネマズ筆頭3社での公開はまたスルーとなることが予想されるでしょう。