一概に映画と言っても全国津々浦々で公開している作品もあれば、全国で1館しかやっていない所謂ミニシアター系と言われる作品もあります。
ところで日本国内で最も大きい公開規模だと全国○館で上映しているんだろう?って思った人も多いのではないでしょうか?
今回はそんなしょうもない疑問と近年の上映館数のカウントのカラクリをまとめていきます。
先に答えを言うと今の日本国内では現実的には約390~400館での公開規模がMAX
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— 映画『キングダム 大将軍の帰還』公式アカウント (@kingdomthemovie) 2024年7月12日
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主要な大手シネコン各社のサイト数が以下の通りです。(2024年7月中旬現在)
- イオンシネマ:96劇場
- TOHOシネマズ:70劇場
- ローソンユナイテッドシネマ:43劇場
- 松竹マルチプレックスシアターズ:26劇場
- 東急レクリエーション【109シネマズ】:19劇場
- ティ・ジョイ:19劇場
- シネマサンシャイン・ディノスシネマズ:18劇場
- コロナシネマワールド:10劇場
上記だけで約300館。これに加えて非大手系も加えると大体380~390館ぐらいが日本国内における公開規模のMAXとなります。
全国にあるシネコンの4分の3が上記の大手シネコン系、さらに言えば4分の1はイオンシネマと考えると恐るべしって感じですなぁ。
現実的には日本国内で500館規模で上映することは出来ない?
例えば先日公開したシリーズ最新作にして最終章とされる「キングダム 大将軍の旗艦」ですが、上記の公式ツイートでは全国532館で公開とされていますが実は日本全国に500館以上の規模で公開することは現実的に厳しいです。
そもそも映画館には大きく3つに分類できる
一言で映画館と言っても色々なタイプがあります。分かりやすくするために「名探偵コナン」の映画を上映する映画館か否かで分類しましょうか。
1)シネマコンプレックス
多くの人が想像するのはショッピングモールなどに併設されているスクリーンが大体5つ以上ある所謂『シネコン』という形態でしょう。これらの映画館ではごく一部を除きコナンの映画は99%と言っても良いほどシネコンではほぼ必ず公開されます。
2)非シネコン①
上記のように一定数のスクリーンを持たない非シネコン(例として2つしかスクリーンがない等)の映画館も地方や自治体の公共施設などに入居していることもあります。その中でもコナンなど本当に上映規模が大きい作品だけを取り扱う映画館です。
3)非シネコン②
一方で非シネコンで所謂ミニシアター系と言われる小規模公開作品のみしか上映しない映画館もあります。これらの映画館ではまずコナンみたいな大規模公開作品はほぼ上映されません。
大規模公開作品を上映することがない3を除き、1と2がどれぐらいあるかというと実際は全国400館ぐらいが良いとこでしょう。コナンやキングダムはこれでも国内最大級の公開規模である約380館で公開されています。
残りの約150館は何処へ?
532館と謳っているのに380館でしか上映していないの?と思った人もいるでしょう。実はこれにはちょっとしたカラクリがあります。
IMAXシアター等=1館として計上
最近では邦画でも対応作品も増えてきていますので徐々に認知はされているかと思いますが、最近では何故か「IMAX」「4D」シアターといったラージフォーマットに対応する1つのスクリーンを1館として計上していることが多いです。
例えるとIMAXとMX4Dの設備も持つTOHOシネマズ新宿であれば1つの映画館ながら、3館として計上されています。
日本国内の主なラージフォーマットシアターの数(2024年7月現在)
- IMAX:50館
- ドルビーシネマ:10館
- 4DX:65館
- MX4D:10館
- ScreenX:18館
※「ULTRA 4DX」は4DX、「ScreenX with Dolby Atmos」はScreenXとして計上
実際には丸の内ピカデリーのドルビーシネマでは大人の事情で上映していなかったりするので厳密には数値はズレますが、これを合算すると大体150スクリーンぐらいとなり、これらを150館として計上していると380館+150館で大体530館となるため辻褄が合うでしょう。