先日、池袋に日本最新鋭とも言える設備が揃うシネマコンプレックス「グランドシネマサンシャイン(以下gdcs)」が開業した。池袋は定期券外のため私は映画のために池袋に行くことはほぼゼロと言っても過言ではないですが昨日行ってきました。
- 池袋駅からは徒歩4分という近さも大きい。
- グランドシネマサンシャイン入口は4Fにある。
- 内装は中々凝った作りで映画好きにも楽しめそうな作り。
- 余談:映画「天気の子」の感想
- グランドシネマサンシャインのサーバーの脆弱性は意外と深刻のよう。
- 総評
池袋駅からは徒歩4分という近さも大きい。
gdcsが核テナントして入る”キュープラザ池袋”は池袋駅東口からも通り1本に面している好立地でもあります。下層にはテナントが十数店舗入っている。
なんといっても池袋エリアは旧シネマサンシャイン池袋も含め老舗の映画館も多く真新しい設備が揃っていなかった状況でのこの日本最新鋭の映画館がオープンするというのは凄いもんですね。更に来年夏にはTOHOシネマズも区役所跡地(Hareza池袋内)にオープンするため池袋の映画館事情は更に進化していくでしょう。
シネマサンシャインを運営する佐々木興業は業界的には四国・関東メインで興行を行っているいわば大手と地方興行の中間とも言える中堅どころの会社とも言えるでしょう。そんな系列が日本最新鋭のシネコンを開業させたことはある意味激震が走ったとも言えますし、この影響を受けて大手シネコン系列が刺激されると良いなと思います。
グランドシネマサンシャイン入口は4Fにある。
キュープラザ池袋は地下1階地上14階建ての建物となっていますが、テナントの大部分を占めるgdcsは4~12Fに所在しエントランスは4Fとなる。
年間動員200万人を目標としている割には少々手狭か。
そんな佐々木興業が肝入りで開業させたとも言えるグランドシネマサンシャインは年間売上約30億円、動員は約200万人を目標に掲げているようです。
具体的に数字を出されてもどのぐらいか分からない人も多いでしょうが、年間約200万人ですと行った事ある人なら分かりやすいかもしれないですが大体TOHOシネマズ新宿レベルの客入りと考えてもらうと分かりやすいでしょう。
4Fに入口があるため1Fからはエスカレーターorエレベーターで移動することになります。ただしこれがまた意外と導線が悪く面倒。3Fまでは他テナントも入居していることから2人が並んでエスカレーターに乗れるだけの幅がありますが、3→4Fへ移動する際に1人しか並べない狭さのエスカレーターとなるためボトルネックのようになり少々長い列ができてしまうのです。
そしてエレベーターは基本的に全フロアに繋がっているため4機あったかと思われますがとてもではないけど急いでいる際にはあてにはならない使いづらさではあると思います。
内装は黒基調のシックな色合いで高級感漂う雰囲気。
4Fの入口まで上がってみると内装は写真のようになっていて綺麗なデザインとなっている。ただしこちらにもちょっと問題点がある。
コンセッション(飲食販売)の列が長蛇となり奥のトイレや券売機まで中々辿りつけないという難点もある。加えてコンセッションの向かいにエレベーターがあるためその列も長蛇となり、2つの列が相まって奥には中々行きづらい壁のように立ち塞がってしまってしまう。今後はフォーク型のように並ばせて中央にスペースが空いて通れるように改善していかないとちょっと色々面倒かな・・・とは感じました。
待合スペースも少々狭いが、スマホ等が充電可能なスペースがあるのは○。
全体的に建物自体も少々手狭で待合スペースも小さめなので、基本的にはあまり利用する前提で求めない方が良いかと思います。
ただその一方で一部座席にはコンセント、USBポートが付いておりスマホ等が充電可能なスペースが完備されています。あいにく私は特にその必要が無かったためしませんでしたがいざという時に便利ではあるかもしれません。また待合スペースがガラス張りとなっているため眺望は・・・とは流石に低層階なので言い難いですが開放感はあります。
※なお混雑しすぎでコンセッションには寄らなかったので今回はこの点は割愛してます。
シネマサンシャイン系列はQRコードで入場する「ペーパーレス」化を推進。
入場しようとすると、なんと言っても驚きなのは券売機、発券機でチケットを発券しなくてもスマホからQRコードを見せて入場できる「ペーパーレス」ということです。
何せ私はTOHOシネマズ&SMTのメインユーザーなもんで、こちらは従来のペーパー型ですのでCSのようなペーパーレスは中々新鮮でした。券売機に寄る必要がないので最悪上記のように券売機への導線が塞がれてもそんなに苦ではないかも?
スタッフがざっと確認するより多少時間はかかるもののストレスを感じるレベルではないので、是非大手シネコンもペーパーレス化勧めてくれないかなぁと思うばかりです。
多層構造だけに少々導線が乏しい
gdcsは4~12Fまであり縦に広い映画館です。よってエスカレーターやエスカレーターでの移動が必須となります。スクリーン構成は以下のようになっている。
- 4F:シアター1,2
- 6F:シアター3,4(4:4DXwithScreenX)
- 8F:シアター5,6(BESTIA)
- 10F:シアター7~11
- 12F:シアター12(IMAX)
新宿ピカデリーのような構造の反省を生かしてか一番面積を取るIMAXシアターは最上層に設置されたのだけは○とも言えるでしょう。
(※新宿ピカデリーはgdcsと同様に多層構造の映画館なのですが、一番大きいシアターを低層に持ってきてしまったため他スクリーンへの移動負担かつ導線が長くなってしまうこともあり欠点とも言える)
ただし何せよ幅が1人分しかないエスカレーター、宛てにできないエレベーターしか移動手段が無いためやはりこちらも開場ラッシュとなると行列ができてしまう。入口の4Fから最上階のIMAXシアターまでの所要時間は約5分近くかかった。他の映画館と違って大分余裕を持って行かないと既に上映が始まっている・・・なんてこともざらにありそうです。ちなみに劇場側の想定を超える混雑だったようで私が観た回は5分遅らせての上映としていました。
内装は中々凝った作りで映画好きにも楽しめそうな作り。
ただ悪い点ばかりではない。もちろん良い点の方が多々存在する。
4F⇒12Fと導線の長さがネックな点もちょっとだけカバーされており、エスカレーター脇には過去のヒット作や名作と言った作品のポスターが飾られていたりと映画好きには十分それだけでもちょっと楽しめそうな作りです。
またIMAXシアターのある12Fの天井は映像が投影される仕様となっておりこちらを見ているだけでも十分に面白い。こちらでは主にIMAX上映される作品の予告やプロジェクションマッピングといった映像を投影しているよう。
日本最新鋭の設備だけに設備に関しては文句なしのスペック。
今回私が観てきたのは「IMAXレーザー/GTテクノロジー」と呼ばれる仕様の日本に2ヵ所しかないIMAXシアターの進化形ともいえるスクリーンです。
何よりの特徴はスクリーンの大きさ。スクリーンサイズは横25.8m×高さ18.9m(サイズ比1.37:1)となっており日本最大級のIMAXスクリーンとなっています。高さは約19mもあり6階建てビルがすっぽり入る高さに相当する。写真を見ただけでは分かりづらいですが、実際に行って見るとやはり凄い。当方はTOHOシネマズ新宿中心でIMAX作品は観ていたのですが、もう正直この池袋のサイズを知ったら戻れなくなりそうな圧倒感でした。
写真は雑ですが一応撮ってみましたので内装は参考までに。
日本初の複合型アトラクションシアター「4DX with ScreenX」
映画をあまり観ない方でも”4DX”と言う言葉は耳にしたりするのではないでしょうか。そんな4DXと全国で約5~10ヵ所に導入されている3面鏡スクリーン上映システム”ScreenX”が融合されたシアター「4DX wtth ScreenX」が日本初導入となりました。
追加料金は1500円(4DX単体上映での料金は1100円、ScreenX単体上映での料金は600円)と相場を考えると思ったよりは高くない印象を受けます。まぁこういっては何ですがScreenX目当てで東京都内に導入されている”ユナイテッド・シネマアクアシティお台場”まで高い運賃払って行くことを考えると少し払えば4DXも追加で付いてきてお得でしょうかね。
余談:映画「天気の子」の感想
今回このIMAXを体感してくるために”君の名は。”で一躍有名となった新海監督最新作「天気の子」を鑑賞してきました。まぁ本来は”スパイダーマン ファー・フロム・ホーム”で観てきた方がもっと体感できたのかなと思いつつも筆者はあまりMCU作品はあまり好きじゃない者で・・・。
この作品はビスタサイズ(サイズ比1.85:1)作品ですのでスクリーンをフルに活用していたわけではありませんがかなり巨大なスクリーンであることに間違いはありません。
作品の感想としては個人的には「君の名は。」(以下、君縄)より好きでした。話としては君縄よりもシンプルで分かりやすかったと思います。映画をよく観るものとしては最近だと”フォルトゥナの瞳”とかを彷彿させるようなファンタジー要素も詰まったちょっとした恋愛作品?いや”万引き家族”的な要素もあると言えるのか?まぁ似ている作品を挙げだしたらキリはないと思うので止めときます。
本田翼が下手だったのはまるで嘘だったかのよう?意外と悪くなかった。
本田翼の下手さが話題になっていましたが実際に観て見ると意外に悪くなかったです。というか意外と良い味出してました。なんで予告であそこだけ切り抜いたんや・・・って感じでした。逆に平泉成さんがコテコテ過ぎて意外とうーんって感じでしたかね。小栗旬は声優実績も多いので文句なしの上手さでした。主役2人は初々しさも残っていましたが割と上手かった。
3年の時を経て「君の名は。」よりも映像美は進化している。
2016年に興行収入250億円の記録的大ヒットを果たした君縄から早3年。元々映像美が一般に受けて新海作品が人気となった要因の1つともいえますが、天気では映像クオリティはより進化しているとも言えます。
音楽はやはり君縄の方が絶妙にあっていたので比較してしまうと少々劣る。
音楽担当は引き続きRADWIMPSが行っている。やはり音楽は君の名は。の方が場面に絶妙にあっていたのかなぁとは思いますね。別に悪いというわけではないんですがちょいちょい惹きは足りないかなとは感じましたので難しいところですね。
新宿ユーザーとしては中々リアリティ溢れていて風景を見るのも面白い
新宿を利用する人には馴染み深い風景が良く描かれています。特に求人バニラのトラックと西武新宿駅前のマックはよく聞くかつ割と行きつけなので良く存じ上げていますが内装が忠実に描かれているのは驚きました。ある意味今年の初めにやっていたシティハンターとは別のベクトルで忠実に描かれていてそんな風景を見るのも良かったです。
グランドシネマサンシャインのサーバーの脆弱性は意外と深刻のよう。
ただ日本最新鋭のシネコンを作ったといえど、シネマサンシャインの予約システムはgdcs化されることで客が増えること、予約が殺到することを想定せず従来のサーバーのままだったというのも問題として提起されている。
この問題が明るみになったのが7月16日(火)0:00~のこと。この日は2日後の18日に前夜祭として公開された「ダンケルク(IMAXリバイバル上映)」「ボヘミアン・ラプソディ(4DX with ScreenX版)」の予約開始となった。映画好きにとってみれば評判の高い2作品ですので絶対に観たいという気持ちも当然あるわけで予約が殺到したわけです。
そして私も興味本意で日付が変わって予約が開始となり予約画面を開いてみると・・・、サーバーが混雑しているということで時間を改めてページを開くような表示が出てくる。何回も繰り返せばイケるのではないかと考える人も当然多く全く予約画面が開かない状態が続いた。どうやらようやく予約できるようになったのは深夜3時だったようです。もはや如何に忍耐力があるかの闘いとなったわけです。この事を受けて劇場サイドからはお詫びも出ている。
http://www.cinemasunshine.co.jp/theater/gdcs/news/613.php
続いて問題となったのは翌日の17日の0:00~。今度は前身のシネマサンシャイン池袋から引き続きgdcsでも改めて上映されることとなった映画「うたの☆プリンスさまっ」の予約殺到だ。この作品は公開規模が小さいこともあり予約開始となるとどの映画館でもすぐに売り切れになってしまうような人気作品。そんな作品であったため予約開始となった瞬間に前日のようなサーバーダウンとなってしまったわけです。
今回私は土曜に観に行った「天気の子」の上映スケジュールを観るためにサイトを確認したわけですが重く中々サイトが開かないことで気づきました。
どうやら座席選択の画面まで行ってクレジットカード情報等まで入力してやっと予約確定!・・・の直前でエラーになるという悲惨な事例まであったそうです。
他社シネコンでは予約殺到した際にどのような対応を取っている?
TOHOシネマズや松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX/ピカデリー)といった大手シネコンでは予約が殺到した際には順番に案内するような形式をとっている。(例:お客様は○○○番目のご案内となります)
場合によっては果てしない数字ともなりかねはしませんが順番に案内はしているためいずれは座席選択画面に辿り着くようなシステムとなっている。(既に売り切れになっているというショックはあるかもしれませんが)
またサーバーが比較的強いと言えるのも流石と言えるでしょう。TOHOシネマズに関してはそもそも滅多に順番待ちとなった記憶がないので流石国内最大手シネコンだなとはこの辺で感じさせてきますね。
総評
自身はIMAXシアターだけしか行っていないとはいえ、設備的にはただデータを見るだけでもグランドシネマサンシャインは日本最新鋭と言っても過言ではない十分胸を張れる素晴らしい設備の映画館です。ただ導線や予約システムのサーバーの弱さなど問題点も少々あるように感じます。
来年夏には同じ池袋にTOHOシネマズもオープンし参入します。私は定期券外なので現状は中々行く機会は中々ないでしょうけど、是非わざわざ池袋に行きたくなるような胸躍らせる映画の街になることを期待しています。