映画好きの気まぐれ日記

映画館について気分で色々書いてます。連日更新もあれば全く更新しない時期がありますのでご承知おきを。

「TOHOシネマズ高槻」という黒船襲来?もわずか3年で姿を消した曰くつきの映画館。

まあ個人的に大阪府高槻市というと、月曜から夜ふかしを毎週見てるので関ジャニ∞村上の出身地のイメージが強いですが、そんな高槻に中々興味深い経緯でオープンした映画館がありました。それが

TOHOシネマズ高槻(現:高槻アレックスシネマ)

です。

 

元々TOHOシネマズはオープンする予定はなかった?

なお、あくまでネットの情報を引用してきただけなので正確な情報かは分かりません

参考程度に見ていただければいいなと思います。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7e/Takatsuki_st01s3300.jpg/300px-Takatsuki_st01s3300.jpg

アレックスシネマ - Wikipedia

 

元々高槻市内ではジョイプラザという地場系の資本によるシネコンが2000年に「高槻シネマルート170」という映画館をオープンしていました。

そんな高槻市内に黒船の如く現れたのが、英国資本のヴァージングループによるヴァージンシネマズ(以下、VC)」です。このVCがJR高槻駅前の商業施設「アクトアモーレ」にシネコンを出店することを決定したわけです。

当然「高槻シネマルート170」率いるジョイプラザにとって同じ商圏に新たなシネコンができるというのは大きな脅威となるわけです。

一方でアクトアモーレへのシネコン出店決定と同時に、2003年4月にヴァージンシネマズ東宝によって買収され「TOHOシネマズ」となります。当然買収したとはいえ会社としての方針は異なります。VCは乗り気だったものの、買収した東宝は既に他社のシネコンが出店していたこともあり高槻への出店は全く考えていなかったようです。

とはいえ映画館自体は既に買収したVCが完成させてしまっていたのでこのまま営業しないのももったいないでしょう、ということで2004年2月に「TOHOシネマズ高槻」としてオープンさせました。まあ東宝にしてみれば言い方は悪いですが、VCの負の遺産という腫れ物扱いみたいなところはあったのでしょう。

 

わずか3年でTOHOシネマズ撤退、経営譲渡へ

元々出店を考えていなかったTOHOシネマズということもあり、2007年6月末に東宝とジョイプラザの協議を経て「高槻シネマルート170の閉館」「TOHOシネマズの撤退かつジョイプラザの運営による高槻ロコ9シネマとして再開館」ということになりました。

まあ推測の域を出ないですが、東宝としては渋々出店したうえ思った以上に観客動員が伸びなかったのでさっさと経営譲渡して運営から手を引きたかったという思惑もあったのかもしれませんね。TOHOシネマズ高槻はわずか3年強で幕を閉じました。恐らく同ブランドとオープンした映画館としては恐らく最も短命ではないでしょうかね。

ということでそんなTOHOシネマズ高槻の後継として、既存の高槻シネマルート170を閉館させたジョイプラザ運営による「高槻ロコ9シネマ」として新装開店しました。

 

ジョイプラザが映画館事業から撤退

しかしながら「高槻ロコ9シネマ」も長続きはせず、2010年9月に閉館となります。営業期間としてはこちらも3年強なのでTOHOシネマズ時代とあまり変わりないでしょうか。

TOHOシネマズが見切り付けて撤退したぐらいですのでやはり思うように動員できなかったということも想像は出来そうですね。

その後ジョイプラザは同市内で2スクリーンのみ持つミニシアターも運営していましたがこちらも閉館させて映画館事業からは正式に撤退しました。

 

3社目のアレックスシネマへ

とはいえ、この映画館自体は近代の本格的なシネコンですから後継も見つかり今度は滋賀県中心に出店していた「アレックスシネマ」が運営を引き継ぎ、2010年9月に「高槻アレックスシネマ」として再開館することになりました。なお2022年3月現在もこのアレックスシネマが営業していますので約11年半と一番長続きしてますねw

なお、このアレックスシネマ5つの映画館を運営しているのですがそのうち3つが東宝による経営譲渡で運営しているサイト(浜大津鯖江、高槻)で、高槻以外は直接東宝から譲り受けた映画館なので、高槻も最終的にアレックスシネマが引き継ぐ運命だったかもしれませんね。

私自身は大阪在住ではないので馴染みはないですが、今後とも末永い営業を続けていけると良いなと思います。

 

参考文献

文化通信.com - TOHOシネマズ高槻、営業権譲渡の理由 (archive.org)