首都圏在住の方で映画の舞台挨拶などにしばしば行く人であればお世話になったこともあるであろう「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」。
まあ元々この映画館はTOHOシネマズという名前ではなかったのですがご存じの方も中にはいるでしょうかね。
シネコン黎明期に開館した都心一等地の映画館
元々この映画館は主題にもある通り「ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ」という名前の映画館で2003年4月25日にオープンしました。その名前の通りヴァージングループ(英国)が手掛けるシネコンチェーンとして日本国内でも展開していました。
この当時は郊外や地方でシネマコンプレックスという業態がようやく普及しだしたころで、まだまだ都心部では新宿コマ劇場や日劇といった従来型の映画館が活躍していた時代なので当時としては山手線の内側にある本格的なシネコンの数少ない1つと言えるでしょう。
ところが2003年4月上旬に東宝に買収されたことでヴァージンシネマズは『TOHOシネマズ』という会社になりました。ここで疑問点として挙がるのはこの買収より後に開業する六本木ヒルズが旧ブランド名である「ヴァージンシネマズ」を冠してオープンしているのです。ということで
TOHOシネマズが経営する「ヴァージンシネマズ」
という訳分からんことになっていたわけです。
まあ考えれば分かることですが、東宝による買収の直後の開館予定だったので「TOHOシネマズ」にブランド名を変更するのが間に合わなかったというのが考えられるところでしょう。
なおその後開業する川崎(2003年9月)、高槻(2004年2月/現在の高槻アレックスシネマ)あたりまでは少なくとも買収される前のヴァージングループが出店を考えていたエリアでしょうが東宝による買収後のオープンだったので「TOHOシネマズ」というブランドで開館しています。
(高槻は中々興味深い経緯でオープンしているので近々に書ければいいなと思います)
開業当初はTOHOシネマズのなかでも別格の扱いの映画館?
今でこそ他のTOHOシネマズとなんら変わりない六本木ヒルズですが、数年前まではかなり異色のTOHOシネマズといえるサイトだったでしょう。
元々立地が立地なのでハリウッド作品などでは海外からキャストを招いて舞台挨拶するにも環境が整った六本木ヒルズで行うことがほとんどであったりかなり他の映画館とは異色の存在とはいえるでしょう。
1)1か月間フリーパスポート
例えば現在はないサービスではありますが、シネマイレージ会員向けに「1か月間ほぼすべての作品が見放題となるパスポート」という景品がありました。
このパスポートを交換するためには6000マイル(TOHOシネマズで映画を6000分見る必要がある)が必要でした。このパスポートは基本的にどのTOHOシネマズでも利用可能でしたが六本木ヒルズのみ使用不可という措置が取られていました。(六本木ヒルズでも利用可能のフリーパスは9000マイルが必要)
最近でこそ東京都心部の至る所にあるTOHOシネマズなので六本木ヒルズで利用可能のフリーパスポートをわざわざ取得するのはアホくさい話ではありましたが、2000年代は東京都心部のTOHOシネマズが六本木ヒルズ以外ほぼ皆無だったのでその名残もあるとはいえるでしょう。
2)グッズ・売店
グッズや売店も現在でこそ他と一緒ですが、当初は他のTOHOシネマズと比較して4~5割ほど割高の価格設定をとっておりかなり異色の映画館と言えたでしょう。ただでさえ物販は元が結構良い値段しますので結構大きいですよね。1000円のパンフレットだったら1400~1500円ってことですもんね、結構大きいですな。
3)ロビー
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ:施設紹介 || TOHOシネマズ (tohotheater.jp)
1回行ったらあまり忘れないであろう内装も特徴的です。
まずエントランスを抜けると映画館にもかかわらずいきなり人口の滝がお出迎えをする。そして二層式のシネコンですが、上層のシアターへ向かう途中には特徴的な通路や宇宙船のようなインパクト強めなロビーが出迎える。
まとめ
ヴァージンシネマズは航空業界にも携わっていたヴァージングループが手掛ける映画館ということで、開館から約19年が経過する今でも中々凝った内装の映画館として六本木ヒルズは興味深いシネコンだと思います。
私もJR沿線のユーザーなので中々行く機会はないのですが、六本木の街並を楽しみつつ久々に行ってみたいなーと思う映画館ですね。