映画好きの気まぐれ日記

映画館について気分で色々書いてます。連日更新もあれば全く更新しない時期がありますのでご承知おきを。

新金線旅客化は本当に実現するの?課題と個人的な持論。

新金線という路線はご存じでしょうか?...と言われてこれが分かる人は沿線民か鉄ヲタぐらいでしょう。その名前の通り「新小岩」と「金町」を結ぶ貨物専用(保有しているのはJR東日本)の路線です。

すなわち貨物しか通らない路線なのですが、今これを旅客化(一般の人が利用できるように)しようと沿線の葛飾区が本格的に検討しているわけです。

www.yomiuri.co.jp

 

 

 

なぜこの「新金線」の旅客化を本格的に推進しているのか?

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引用:新金貨物線旅客化|鉄道計画データベース (tabiris.com)

 

地図を見ていただければ分かるかと思うのですが、東西の鉄道網はJR総武線京成本線「JR常磐線と比較的充実しているのですが、南北を結ぶ鉄道路線京成金町線ぐらいしかないんです。そしてお世辞にも駅から近いとは言えない鉄道空白地帯もかなり存在するわけです。

 

度々旅客化の話題が出るも...

というのも新金線旅客化の話、今に始まったことではないんですよ。というのも貨物線としての機能も「武蔵野線」「京葉線」などといった路線へシフトしているため随分前から貨物需要は大分少なくなっていたこともあって少なくとも四半世紀前ぐらいから度々話は挙がってました。

その証拠に新小岩駅北口周辺には15年前ぐらい前までは「新小岩操車場」という貨車の検車場など結構大きい貨物専用の駅がありましたがかなり規模を縮小して貨物専用の線路を複数持つ(あとは信号など)のみです。現在では新金線を通る貨物も指で数えるほどしか。

 

1)国道6号線水戸街道】の踏切をどうするか?

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引用:葛飾区が熱望「貨物線旅客化」は現実的なのか | ローカル線・公共交通 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

 

ただ度々話題に挙がっては頓挫するのにも理由があります。この旅客化の最大の課題で争点ともいえるのが国道6号線水戸街道)とクロスする踏切。国道というからには通行量がかなり多い道路で、踏切で電車が通るたびに止めていてはただでさえ酷い渋滞が更に悪化するのは目に見えています。

とはいえどれだけ需要があるのか見えづらい新線構想に踏切を撤廃して「立体化」までしてしまうと総費用が莫大になってしまうのは目に見えています。それこそ旅客化への道が遠のいてしまいます。

 

そこで葛飾区が検討しているのは道路側の信号と連動して電車を通すという方式です。これは東急世田谷線の若林踏切(環状7号線)でも採用されている踏切と道路信号の連動システムで、あくまで「電車が優先ではなく、あくまで車の通行が優先される」というのがポイントです。これで車側の渋滞を抑えるというのが狙いです。

電車側が高頻度に運行するようだとこのシステムはかなり不利(というか遅延の温床になりかねない)ですが「10分間隔ぐらいでの運行であれば立体化せずとも、このシステムを採用するだけでも十分やっていけるのではないか」とは思います。あとは極力踏切を塞がないようにダイヤを組むのに手腕が問われそうですがね。現在はこの踏切周辺は単線ではありますが、それゆえ「複線化は必須」となることは間違いないでしょうね。(新金線は現状全区間が単線ではありますが、複線化する用地は確保されてる)

 

 

2)高砂駅をどうする?

上記の設置予定駅を見てもらうと「高砂駅」というところがあるでしょう。そのすぐ横には京成高砂駅があります。ただ徒歩移動するには若干不便な位置と距離感なのも旅客化の上での課題の1つです。

京成線から総武線新小岩)方面へ乗り換え需要が確保できれば新金線の価値は結構高まることでしょう。しかしながら現状のままだと、京成高砂駅から高砂新駅予定地までは一本道ではないかつ徒歩5~6分とお世辞にも乗り換えやすい駅ではないので、乗り換え需要として見いだせるかというと微妙でしょう。

京成高砂駅を若干西側へ移転する...?

実は京成高砂駅が移転する可能性も100%現実的ではないというわけでもありません。というのもまだ現実的な計画はありませんが、京成の高砂駅が全面的に高架化する計画もありますのでこの機会に西側に若干移転すればこの新駅予定地からも大分近くはなるでしょう。

ただしこちらは駅に隣接する高砂車庫を移転したうえでの話なので、こちらが具体的に決まってない以上はこの駅の全面高架化の話も少なくともあと10年は進まないでしょう。

そして新金線の旅客化が進めば、京成線で今まで都心まで出てくれていた人たちが高砂で乗り換えてしまい、減収につながる可能性も考えられます。京成にとって収益面でマイナスになりかねない計画に都合よく協力してくれるか?ってのが一番の問題ではあるでしょう。

 

 

3)新小岩~金町だけではない?新金線旅客化の壮大な計画も。

今回はあくまで葛飾区が主導している構想なので「新小岩~金町」の区間に限定されていますが、今までには様々な構想も考えられています。

(1)越中島貨物線とつなげて長大な路線へ?

実は新金線の新小岩駅の先も線路でつながっています。どこに繋がっているかというと亀戸駅の南側を経由して遥々越中島貨物駅(東京メトロ東西線の深川車庫の南側)まで繋がっています。その間には「西大島」「北砂」「南砂」など鉄道空白地帯および南北の交通利便が悪い地域がたくさんあります。こちらの場合は越中島貨物を通る江東区と連携していかないといけないのでそう簡単にはいかないでしょうが元々ある路線の再活用なので悪くはない話でしょう。

ただ江東区有楽町線支線(豊住線/豊洲~住吉)に全力なのでこちらに興味があるかは分かりませんがね。また新金線は電化されているのに対し、越中島貨物線は非電化のためこれを実現するにはどちらかに合わせるか、電化および非電化にも対応する客車で対応する必要はあります。

 

(2)金町ではなく水元公園方面へ?

この構想は昨年の葛飾区長候補であった梅田さんという方が案として出していた構想で、金町駅ではなく北の水元方面へ延伸するという計画でした。

しかしながらこの計画は鉄道空白地帯である水元地域の人にとっては恩恵はあるでしょうがそれ以外の恩恵が薄すぎるので現実的ではないでしょう。そしてどのみち水元~金町が結ばれるわけではないので需要も期待できるのか...?少なくとも新小岩寄りの区民ではありますが、私個人的には水元に所用がほぼない...。

ただ考えようによってはさらに北の三郷市の方まで延伸して「三郷中央駅」を経由して「吉川駅」など武蔵野線の駅までを結ぶ構想であればそれなりに需要は得られそうな気はします。というのも三郷市の大部分も鉄道空白地帯がたくさんあるためです。特に三郷市の高洲や戸ヶ崎といった地域はわざわざ金町駅へ出る人も多いようですからね。

ただそこから先は三郷市の協力も必要ですからあくまで妄想に過ぎないですけどね。

②新金線の旅客化について - YouTube

 

 

4)通常の車両じゃないの?LRTで計画予定らしい。

 

https://toyama.visit-town.com/wp/wp-content/uploads/DSC01415-1400x700.jpg

引用:富山市の『路面電車』に乗る前に知りたい9つのコト。 | 観光情報特集「TOYAMA STYLE」 | VISIT富山県 (visit-town.com)

 

ただ旅客化と言ってもどうやら普通の電車で計画しているわけではなく「LRT」で検討しているようです。LRTとは「次世代型路面電車システム」の略で要は路面電車ってことです。

実際日本初のLRTの事例となった富山ライトレール(現:富山地方鉄道富山港線)は元々鉄道の路線であったところをあえて路面電車化して成功させた一つです。

 

個人的には普通の電車の方が汎用性が高いような気も...。

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引用:宇都宮線・日光線の新型E131系「600番台」公開 3両編成の「1.5M+1.5T」 | 鉄道ニュース【鉄道プレスネット】 (railway-pressnet.com)

 

ただ個人的には新金線旅客化をするならそのまま従来の車両を利用した方がいいのではないかと思います。ただでさえ上記でも触れた水戸街道踏切問題もあることからしょっちゅう踏切を止めていられないうえに路面電車の輸送力となれば中々厳しいことが考えられるでしょう。

まあ総武線常磐線共にそれぞれメインの直通先があるので、新金線からの直通運転は現実的に考えにくいですが、フル規格の方がJR東日本の臨時列車などに用いるなど汎用性は高いかと思います。

個人的にはE131系(上記)みたいな車両で運行するのが理想的かなとは思ったりします。

 

 

5)実際旅客化したらどれぐらいの需要が見込める?

葛飾区としては2019年時点では新金線が実際に旅客化したら「36,000人/日」以上の利用客が見込めるのではないかと想定はしているようです。ちょっと過剰計上し過ぎじゃないとは思わなくもないですが、ある程度需要はあると思います。

小岩~金町のバス路線は日中でも比較的混雑している。

総武線常磐線を結ぶ路線として京成バス・京成タウンバスの運行による新小岩駅綾瀬駅」(新小51)新小岩駅亀有駅」(新小53)小岩駅金町駅」(小55)という系統のバス路線がありますが、比較的本数も多く日中でもそれなりに利用客が多い印象ですが、ネックともいえる点として片道1車線しかない道をひたすら通るため所要時間が結構かかる(渋滞があればなおさら)ということが挙げられます。

あくまで総武線常磐線を行き来したいという人であれば所要時間が恐らく半分程度であろう新金線でも良いかって人もそれなりにいると思います。

とはいえいずれのバス路線も新金線ではカバーしきれないエリアを結構結んでいるので需要が激減するということはないので程よく分散するのではないかと思います。京成バス的にはどれもかなりのドル箱路線なので困ったもんかもしれないですけどね。

 

社会実験路線「新金01」系統も比較的需要はある模様。

そして新金線旅客化の需要がどれだけあるかを検証する目的で新設された社会実験路線「新金01」(新小岩駅金町駅を結ぶバス路線が休日のみ運行しています。実はこれが出来るまでは新小岩~金町を1本で結ぶ手段はありませんでした。

平日は運行していないので何とも言えませんが、少なくとも休日は日中中心に結構乗っている印象でした。

 

総括

まだまだ色々課題はあるでしょうが、無事旅客化にたどり着けると良いと思います。

個人的にはLRTじゃなくてやはりフル規格で開業させた方が良いんじゃないかなとは思ってしまいますけどね。