劇場版「鬼滅の刃」はシネコンの救世主の女神となるか?映画業界を大きく変化させる期待。

今週末から社会現象を起こしている漫画の長編劇場版アニメ、劇場版鬼滅の刃~無限列車編~」がいよいよ公開となる。久々の特大ヒットも期待できるため映画業界は前代未聞の待遇をしたりと万全の態勢で臨んでいる。

https://eiga.k-img.com/images/movie/91918/photo/b9a6964a1708c7f4.jpg?1596417518

 

 

 

 

1.もはやバスの時刻表!?1日の上映回数が40回以上の映画館も。

日本最多の動員を誇るとされる「TOHOシネマズ新宿」では公開2日目(17日)の上映回数はなんと41回/日!今まで"アナと雪の女王”などといったメガヒット作品でもここまで上映回数が確保されてた記憶はありません。

t.co

 

もはや過剰供給?それでもこれだけの上映回数を用意するワケ。

いくら上記のような市松仕様で座席数が本来のキャパに対して激減しているとはいえ、これだけ上映回数と座席数が多いと過去の記録的メガヒット映画アナと雪の女王」「君の名は。クラスでも満席にするのは難しいレベルであります。

 

ただしこれらの作品はコロナ禍以前の話であるため、現在は当然ながら感染リスクを下げるためにも逆に”満席にさせてはいけない”という懸念もあるでしょう。

この夏も興行収入50億&30億級の作品が出ており、私の想像以上に盛況となっていましたがそんな状況でも映画館ではクラスターが発生していない。ここでクラスターが発生してしまっては今まで築いてきた映画館は比較的安全である”という信頼がパーとなってしまい今後の映画業界の興行にも大きく影響が出てきてしまいます。

それゆえ映画館側も供給過剰ということはわかっていてのこの上映回数の確保であるものかと考えられます。

 

 

なおイオンシネマを除き大手シネコンでは「全席販売」の試みへ

現在は新型コロナ感染防止対策の1つとして販売している座席の左右前後を販売禁止にした俗にいう「市松(炭治郎)模様」を模した販売方式をとっている。このため座席数は本来のキャパシティに対して半数以下となっている。

 

https://m.media-amazon.com/images/I/71rl2ZYLUTL.jpg

↑この模様を例にして説明すると

緑色のマスが座れる座席

黒色のマスは販売していない座席

というソーシャルディスタンスに配慮した仕様となっている。

 

 

ところが今週末よりイオンシネマを除き大手シネコンでは全席開放の方針へと向かっている。

市松仕様になれてしまった人も多く、全席開放にしてしまったら隣にわざわざ観客が来てしまうのではないかという心配する人も中には結構いるでしょう。ましてや上映回数も多く確保してあるのにわざわざ全席開放して販売する必要があるのかと。

ところが大手シネコンとしても将来的なことを考えるとそんなことも言っていられない事情もある。

 

将来的には今までのように全席開放して座席を販売したい!

新型コロナ対策として座席数を減らして販売していても20年10月上旬現在に関してはこの状態でも満席になるまで埋まる作品が特にないので問題がないのですが、立地が良く元々観客が良く入るところにしてみれば機会損失が多かったといっても過言ではない。

 

実際にコロナ禍以降でもこの夏は今日から俺は!!」「コンフィデンスマンJP」「ドラえもんなどといった作品がヒットとなっており、基より客入りが良い映画館では座席数を減らして販売していたが故に満席となっていた光景もしばしば見受けられました

将来的には昨年の夏のような大ヒット本命作品が続出するような盛り上がる時期がやってくることを考えるとこのままずっと座席数を減らしたまま販売し続けるというのも大きな機会損失となり得るし得策ではない。

そこで上映回数や座席を過剰に確保し、感染リスクに配慮したうえで今後の全席開放化への情報収集もかねて「鬼滅の刃」を試金石として全席販売へ踏み切ったものと考えられます。

 

 

興行収入はどこまで挙げるか?筆者が勝手に予想してみる。

これだけ映画館サイドとしても空前絶後の期待値が懸かっている「鬼滅の刃」の映画ですが、果たしてどこまでヒットするだろうか?

 

同じく社会現象となった映画「妖怪ウォッチ」1作目は興収78億円。

一つの指標と出来るのが、同じく社会現象となり映画化して大ヒットとなった妖怪ウォッチである。こちらは1作目”誕生の秘密だニャン!”(2014年)は特にピークで、劇場版ポケットモンスターシリーズで最も興行収入を上げた「ミュウツーの逆襲」(興収72.4億円)や映画ドラえもんシリーズ「のび太の宝島」(興収53億円)を凌ぐ成績となっている。

※ただし「ミュウツーの逆襲」は1998年公開であり、当時はシネコン業態の映画館は現在よりも少なく興行成績を挙げるのがそう容易でなかったことは考慮しないといけない。またアメリカで最も興行成績を挙げた邦画作品は現在でも「ミュウツーの逆襲」である。

 

初見殺しでもお馴染み"fate"シリーズを手掛ける「ufotable」制作

鬼滅の刃は漫画原作でありますが、アニメ化にあたって制作を担当したのがFGOなど”fate”シリーズで知られる「ufotable」である。元々も漫画も人気はあったかと思いますが、作画の出来の良さなどもあってこの鬼滅ブームを作った立役者ともいえるのがufoである。

ただその一方で懸念材料の点もいくつかある。それが初見殺しの作品である可能性が高いということである。

一般的な作品だとテレビアニメから劇場版アニメとして映画化する際に初見の人でもある程度話が分かるよう(間口を広くするため)に軽く説明が入ったりするというものが多いのですが、少なくとも同じufotableが手掛けるかつテレビアニメからの映画化がされたFate/Stay night Heavens Feel」劇場版三部作は、初見はおろかテレビアニメ視聴者でも話を端折り過ぎて理解できていない人がちらほらというひともしばしば見受ける。(ゲームからプレイしている人でないと完全に理解できないという話も)

そんな鬼仕様の作品を作るufotableですので当然ながら全く鬼滅を知らない人向けに説明があるとは到底思えない。ファンは当然駆けつけるでしょうが、全く観たことない人が観たところで楽しめるとは考えにくいので興行推移としては伸び悩むようにも思える。

 

東宝”が共同配給に付くということは特大ヒットは想定済み?

ufotableが制作する作品は「Fate」シリーズなども含めてアニプレックスとの関係が強いため、この鬼滅の刃に関しても当然アニプレックスが配給に関わることは想定できていた。(アニメ第1話~第5話を編集して劇場版として構成した”兄弟の絆”もアニプレックス配給)←10日土曜にフジテレビで放送されたのがコレ

 

そしてアニメ最終話の続きの話が描かれる「無限列車編」の予告およびポスターが発表されたわけですがよく見ると、配給にはアニプレックスに加えて「東宝」がいることが分かる。今まで全く鬼滅に関係がなかった東宝が関わるとはどういうことかというと・・・。

 

アニプレックス単独ではなく東宝が共同配給としてかかわるメリット

全国にはシネコンと呼ばれる業態の映画館は約400館弱あります。アニプレックスも配給力が決してないわけではありませんが平均として全国150~200館ぐらいでの配給規模がベースとなります。一方の東宝はなんといっても国内最大手の配給会社でありアニプレックス以上の宣伝力や配給力を持ちます。

アニプレックスとしては言い方は悪いですが金になるコンテンツを東宝と配給でタッグを組むことで自社単独で配給するよりも更に映画をヒットさせられるというメリットもありますし、東宝としても社会現象となっているコンテンツの映画を配給することで配当が得られるというお互いにとってメリットがありウィンウィンの関係とも考えられるでしょう。

 

興行成績は80億前後と予想!

さて話は長くなりましたが、私の現実的な興行成績の予想は80億前後と予想します。(もちろん予想が外れてさらに右肩上がりとなることを期待しています)

 

社会現象化しているコンテンツであるということを考えると、今年度の邦画作品における興行成績暫定トップである今日から俺は!!劇場版」(約53億円)は軽く超えてくるものかと思います。

問題は今年度暫定トップの興行成績を挙げるスター・ウォーズ 最後のジェダイ」(約73億円)を超えてくるか否かというところです。現在進行形で公開する作品に頑張ってほしいなという期待も込めてSWは超えてくると予想しましたが、案外これと同様ぐらいの成績で収まるような気もしなくはありません。そして同様に社会現象化となり映画が大ヒットした妖怪ウォッチ」(約78億円)も超えるか否かといったところで収まるかと予想します。

大台の100億は初見では観づらそうで間口が若干広がりにくそうという懸念もありますので中々厳しいかなと予想しました。

 

いずれにせよ映画興行を追う者としては久々に楽しい作品の幕開けとなりそうです。

私もせっかくフジテレビで総集編をやってるので話を追って映画も観ようかなと思っています。