私個人的には歴代シリーズでも一二を争う満足度だった「ドラゴンクエストXI」のリメイク版ともいえる【11S】がSwitch版だけでなく、ついにPS4/Xbox One/Steamから2020年12月4日に発売が決定しました。(しかしPS5が年末発売される予定というのになぜPS4から?)
個人的には緊急事態宣言中に暇で3年越しで3DS版の11をプレイした結果ドハマりした遅咲きのプレイヤーでしたので、11Sも欲しいなと思ってソフトだけ衝動買いした結果未だにSwitch本体が手に入っていないという残念な状況ですので少し複雑な気持ちもあります。
PS信者じゃないんで「だったらSwitch版なんて買わずにそっちまで待てば良かった」という後悔はないですがPS4本体は割と普通に市場に出回ってるんで簡単に買えたじゃんという辛さがあります・・・。大分商法がアレなので炎上もしてるみたい。
さて、話はガラッと変わりますがこの「ドラクエ11」では歴代のナンバリング作品で採用されていたBGMが多々登場してきました。ちょっとサントラも欲しくなってきたと感じた人も中にはいたのではないでしょうか?
公式に発売されているオーケストラ版サントラCDは大きく3つに分類
ドラクエ公式の「交響組曲」としてリリースされているCDは歴代としては3つの交響楽団「東京都交響楽団(都響)」「NHK交響楽団(N響)」「ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(ロンドンフィル)」によって演奏されたものがあります。
プロが聞けばどこが上手い下手というのは判断が付くのかもしれませんが、正直言ってどこの楽団も素人なら確実に満足するレベルは当然超えてきてますので一般人が聞いたところでどこが一番上手い下手とかで判断するのはあまり意味ないかと思います。
ただし各楽団それぞれ個性、収録環境の優劣がありますのでそこを評判など見て判断するのが良いかと思います。
1.NHK交響楽団(N響)
NHK交響楽団の本拠地の1つ「NHKホール」(ちなみに老朽化による補強工事&設備更新のため2021~2022年に一時休館するみたいです)
日本国内ではトップといっても過言ではない世界にも通用する名門楽団です。私も含めてそうですがオケ素人でどんなのやってるかは知らないけど名前ぐらいは聞いたことのある人が大半の名の知れた交響楽団ではないでしょうかね。
「NHK」という名前の通り”放送交響楽団”という側面ももち、大河ドラマのテーマ曲の演奏はじめNHKの番組でも多数演奏を担当していたりします。
ドラクエのオーケストラを担当したのは「III~V」のみ
N響としてサントラCDが発売されているのは上記の通り3作品。こうやって考えてみると意外と少ないかもしれませんね。
ただしN響の選抜メンバーで組まれた「東京弦楽合奏団」として”I/II”の2作品も演奏していますので実質「I~V」の5作品を担当しています。なおⅥ以降はN響は担当しておらず、後継にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏へと変更されています。
ちなみに「V~天空の花嫁~」(PS2版)ではこのNHK交響楽団演奏によるオーケストラ音源が実際のゲーム内BGMとして起用されています。ちなみに「V」は今でこそシリーズ屈指の評判を誇る作品ですがこのリメイクから評価爆上がりという声も聞くのでN響も立役者といえるかもしれませんな。
「N響」の特徴は?
N響の利点とも欠点ともいえるなんといってもの特徴が「3楽団の中で最もゲーム音源に忠実な演奏」であるということです。
ゲーム音源でテンポの速いBGMだと都響やロンフィルでは少しテンポを落として演奏しているのも多いですが、N響は割とシンセサイザーさながらのテンポで演奏したりと演奏技術の高さは素人でもうかがえます。また金管楽器と弦楽器のバランスが良いので3楽団のなかではとにかくバランス的であるという評価もされています。
一方で他楽団と比較すると金管楽器が弱めなので華やかでないという欠点も挙げられています。またアレンジが特にないので良くも悪くも事務的な演奏とも取れるかもしれません(大元がNHKですしね・・・)
ただし総じていえることは”素晴らしい演奏”であるということには変わりありません。
2.ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(ロンドンフィル)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地「ロイヤル・フェスティバル・ホール」
Ⅴまで演奏を担当していたN響に代わり、ⅥからはLPOの演奏に変わりました。
実は世界ではあまり人気のない「ドラゴンクエスト」ですが海外から過去にロンドンフィルが参加しています。そんな海外人気の薄いドラクエの楽曲をイギリスの管弦楽団が演奏するほどですから椙山先生の音楽がとても評価された結果なのかもしれませんね。
ロンドンフィルはイギリスでは5大オーケストラの1つとして数えられる管弦楽団となっています。
ドラクエのサントラを担当したのは「I~VII」
LPOが主として演奏したのは「Ⅵ」「Ⅶ」の二作品。
ただしN響がかつて演奏していた過去作に関してもLPOによる演奏の交響組曲版がリリースされているため、実はN響よりも多い7作品を担当しました。
「ロンドンフィル」の特徴は?
ロンドンフィルのなんといってもの特徴が「3楽団のなかでも特に音が綺麗」なことです。
特に金管楽器は3楽団の中でも特に透き通っててきれいな音とも素人ながら感じました。
ただしその一方でやはり日本のオーケストラではないため日本人に合いにくい、あまり壮大さを感じないなどという意見のデメリットもちらほら見ます。
バランスタイプのN響と比較すると音により忠実、ダイナミック感は劣るという感じかなと個人的には思いました。
3.東京都交響楽団(都響)
Ⅶまで演奏を担当していたLPOに代わり、Ⅷ以降は都響が演奏を担当しています。
都響はこの3つの楽団の中では本格参加が2005年で最も新参者と言えますが、他2つが10年前後の付き合いなのに対して、今日まで15年以上の付き合いですぎやまさんとは最もかかわりの長い交響楽団とも言えます。
東京都交響楽団は「NHK交響楽団」「讀賣日本交響楽団」と揃って”日本三大オーケストラ”として称される国内トップクラスの交響楽団となっています。
数年前のトヨタ自動車「AQUA」のCMではこの東京都交響楽団の演奏による”冒険の旅””おおぞらをとぶ”が起用されました。
「ドラゴンクエストシリーズ」全てのナンバリング作品のサントラCDをリリース
都響が主として演奏しているのは「Ⅷ~Ⅺ」の四作品。
ただしLPOのように歴代のドラクエ交響組曲に関しても都響による演奏でリリースされているため、3楽団で唯一「I~XI」まで全てのナンバリング作品のサントラCDが収録・演奏を行っています。すなわち「VIII~XI」に関してはこの東京都交響楽団のみがサントラCDを発売しています。
ここまで全ての作品において担当しているので、ドラクエのBGMを作曲しているすぎやまこういち先生お気に入りの交響楽団でもあるのでしょうね。
「都響」の特徴は?
3楽団の中でも特に特徴的なのが「壮大さかつ華やかさ」です。金管楽器がとにかく強めで重厚感や壮大なBGMや悲哀感漂う作品は都響が一番向いているかなと思います。
一方で都響の演奏は金管楽器が強めで弦楽器が弱いことで音のバランスが良くない等という欠点も挙げられています。
個人的に各楽団の個性が出ていると思う楽曲は・・・
ドラクエファンなら知らない人はいないといっても過言ではない名曲中の名曲ですね。
N響の忠実さ、ロンドンフィルの音色の美しい感じ、都響の壮大さが分かりやすい楽曲だと思います。
結局買うならどれが良いの?
どれも素晴らしい演奏なので甲乙つけ難いですが、全部のナンバリング作品のCDを揃える気があるなら”I”から最新作の”XI”まですべて手掛けている「東京都交響楽団」版を選ぶのが無難でしょう。