映画好きの気まぐれ日記

気分で書いてるので、連日更新もあれば全く更新しない時期がありますのでご承知おきを。

新海誠作品の強みを紐解く。【VS"HELLO WORLD(ハロー・ワールド)”】

2016年には興行収入約250億円を記録した君の名は。、3年後となる今年2019年には興行収入150億円が見込まれる最新作「天気の子」とヒット作を連発する新海誠監督。一体どのような点が観客を引き込むのかを他のアニメーション作品と対比しながら考察していく。

 

第一弾は「HELLO WORLD(ハロー・ワールド)」と比較。

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【ストーリー】話が整理できれば結構楽しめる故に、初見だと難解過ぎるのは辛い。

この作品、ストーリーがある程度分かれば結構味わい深いものだと私は思いますが、何せ新海作品と明確に違うのが初見で「理解しきれない点が残っても面白かった」となるか、「理解しきれずモヤモヤしてイマイチ」となるかです。各レビューサイト等を観る限りこの作品は後者と感じている人がやはり多いようだ。

「2回目改めてみると面白いよ!」・・・と言われても普通の人は1回目観てイマイチだと思った作品を改めて観ようと思う人が滅多にいないのは当然でしょう。ここが興行的にも難しい点でしょう。ストーリーを複雑にすればするほどカタルシスも生まれて何回も観たくなるという中毒性も増す傾向も高い。一方で複雑にし過ぎても却って作品的に理解できる部分が少なくイマイチと感じる人も多くなってしまうのでバランスが大事ともいえるでしょう。

君の名は。」に関しては時系列が結構変動しますので少し話が複雑で理解できなかった点もあるという声もしばしば聞きますが、大前提に初見でも満足できる面白さだったという定評があってのカタルシスもあり複数回観るリピーターも続出してここまでの記録的大ヒットに辿り着いたともいえます。

 

あらすじ&ネタバレ考察

ネタバレ無しのあらすじはこんな感じ。

  • 主人公・堅書直美(cv.北村匠海)の元に突然10年後の主人公・カタガキナオミ(cv.松坂桃李)がやってくる。
  • ナオミによると、この後直美は同じクラスメイト・一行瑠璃(cv.浜辺美波)と結ばれるが彼女は事故で命を落としてしまうと宣告される。
  • ナオミのもと、計画通りにヒロインと結ばれるかつ彼女が事故で命を落とさないように直美は実行していく、はずだった・・・。

ここだけ聞くとよくある話じゃ~ん!って感じなんですが、このシナリオはこの作品の序章にすぎずここからが色々と複雑になって来るんですね。

※以降はネタバレ要素を含む考察となります。観る予定があってネタバレ避けたい人は以下の項「Dolby-Atmos・・・」までお進みください。

 

ネタバレありの考察

他人様の解釈も読み通して簡単に要約するとこういう話なのではないかと推測する。正しい推測なのかは知らないので詳しい詳細はググってみてくださいな。ちなみに私は「天気の子」では使えねーwでお馴染みのYahoo!知恵袋等の回答を参考に2回目を観ました。

以下、高校時代主人公⇒直美、青年期主人公⇒ナオミ、高校時代ヒロイン⇒瑠璃、大人ヒロイン⇒ルリ表記で区別。

  1. 2027年に落雷直撃で脳死状態となった瑠璃。
  2. 10年後のナオミ(2037年)が脳死状態の瑠璃を助けるため、2027年にやって来て高校時代の直美と瑠璃に接触。直美は瑠璃を救うためにナオミのもと”グッドデザイン”と呼ばれるカラスと共に特訓する。
  3. 高校時代の直美と瑠璃を結び付け落雷事故も回避し、ナオミは瑠璃のサルベージを試みて2037年へ瑠璃を連れ去っていく。一方、直美は瑠璃を失い呆然。
  4. 2037年に戻ったナオミは瑠璃のサルベージが出来たと思いきや本来の精神状態と一致していなかったため実際は出来ていなかった
  5. カラスもいなくなり何もすることが出来ない直美の所にカラス(他人様の解釈だと2047年ルリの持つカラス?)が再びやって来る、このままだと瑠璃が世界から完全に排除されることを知りルリのカラスと共に直美は2037年へ向かう
  6. 瑠璃を元の世界に戻すことは出来たものの、2037年にナオミと直美の同一人物2人がおりデータとして重複していたためどちらかが消える必要があり、結果大人ナオミ消滅(理由は不明だが2047年で何らかの理由でナオミが脳死?)。
  7. 高校時代の直美・瑠璃は元の2027年へ戻る
  8. 2047年大人のルリが脳死状態だったナオミを救う

要するに8が現実で、1~7は仮想世界の話だったということなのでしょう。すなわち主題はナオミが脳死状態だった瑠璃を救う話・・・ではなく、ルリが脳死状態のナオミを救う話だったということですかね。

なので1秒は流石に過剰表現な気はしますがキャッチコピーの「この物語は、ラスト1秒でひっくり返る」というのはあながち間違いではないという解釈で良いのですかね。

しかし自分で書いていてもよく分からなくなる・・・。これ合ってるのだろうか?

 

 

【音響】実は東宝初のDolby-Atmos採用作品、今後の布石となるか?

ストーリーの話はラチ明かない気がするので次に進んでいきましょう。

なんと言ってもこの作品、実はDolby-Atmos(ドルビーアトモス)」採用作品なのである。邦画としては9例目、東宝配給作品としては初の試みなのです。正直音響面に関しては新海作品を超えていると私は思います。久々にサラウンド感半端ない邦画アニメを観た気がしますね。

ドルビーアトモスは何故普及しにくいのか。

この記事でもちょいちょい名前が出る新海監督作品君の名は。」「天気の子」シン・ゴジラ等といった作品が東宝配給作品としてはIMAX上映も既に実施している。日本国内のIMAXデジタルシアターは現在約50館近くまで拡大しており追加料金が500円掛かり客単価も上がる東宝としてもIMAXは費用対効果が十分にあると見越しての採用なのでしょう。

一方のドルビーアトモスに関しては日本国内だとその半分の25館程度しか普及していない。また追加料金も無料~200円客単価が顕著に上がらない。よって東宝としても費用対効果が薄いという認識があってもおかしくはないでしょう。

ドルビーアトモス採用の実現には音響監督の岩浪美和氏の存在が大きいか。

この作品の音響監督を務める岩浪氏は割とこの業界では高い知名度を誇る方です。どうやら業界への影響力も大きい東宝配給作品でのドルビーアトモス採用作品を制作するのも岩浪氏の目標でもあったようですね。私としてもDolby-Atmosは結構好きな設備ですので普及してほしいなと思うばかりですね。

 

【映像】2Dのように見せた3DCG「セルルック」技法はやはり違和感ある?

日本国内では未だに2Dアニメが主流となっていますが、実は世界的には既に3Dアニメが主流となってきています。とはいえ日本が時代遅れだというのではなく日本人は2Dアニメに慣れ親しんでいる人も多いのではないでしょうか。

一方で最近では日本の主流アニメのような2Dでありつつ3DCGである「セルルック」という技法を用いたアニメーションも徐々に登場している。このセルルック技法が使われているのがこの作品である。

一体どのように違うのか?静止画だと分かりずらいので予告の映像とかをみると違いが分かりやすいかもしれませんね。2D、3Dである「天気の子」「ルパン三世 THE FIRST」と対比してみましょう。

私個人的な意見としては最初は確かに違和感はありましたが、次第に慣れていった気はするので2Dアニメーションの方が確かに安心もしますがこの技法も悪くはないのかなとは思いますね。ただ強いて言えばセルルックを用いていることで「けいおん!」等のキャラクターデザインの堀口さんの個性は活かしきれていないような気はするのでそこは2Dでも良かったんじゃないかなと思う点ではありますね。

 


映画『HELLO WORLD(ハロー・ワールド)』予告【2019年9月20日(金)公開】


映画『天気の子』予報②


映画『ルパン三世 THE FIRST』予告【12月6日(金)公開】

 

【声優】予告で言われていたほどは悪くない?

個人的には特に声とかに関しては違和感なく鑑賞できたので、言われているほどは悪くなかったのかなとは思いますね。あとは好みとはなってきますけどね。

主要3人ともまんまの声って感じでしたが本職は声優ではないのでよっぽどの棒でなければ十分だと思います。

 

【劇伴&主題歌】単体は良いけど上手く生かしきれてない?

劇伴や主題歌は個々それぞれは良いのに使い方が少々活かしきれてなくて少々勿体ないかなと感じました。特に髭男の「イエスタデイ」は一瞬かつそこで流れる?みたいな感じでちょっと勿体ないなと思ってしまいました。

やはりその点新海監督×RADWIMPSコンビはじっくり時間をかけてやっているようなので上手くそこらへんも考えて製作されているんだなと再認識しますね。普通じゃ監督アーティスト同士で中々こんなに密接に楽曲製作は出来ないでしょうからかなり例外になって来るとは思いますけどね。

 

総評

ということで色々グダグダ言ってきましたが結論言いたいことは「惜しい作品」かなということ。ストーリーの難解過ぎる複雑さ劇伴等々少々勿体ないところも感じられました。

その辺も含めて丁度バランス良く仕上がったのが「君の名は。」で興行も異常なヒットにもつながったのではないかと思います。

私は暇があればもう何回か観て見て確認してみたいかなとは思いました。見入ることが出来れば噛めば噛むほど中々味わい深いスルメのような作品であると思います。