篠原涼子×広瀬すずで日本版としてリメイクされた作品「SUNNY 強い気持ち・強い愛」ですが見られた方もいるでしょうか。結構実際に映画館に行って観てみると作品の時代背景となる90年代を経験していない現役の女子高生もいてビックリしました。でもよく理解できなかったシーンも多かったのではないかな~と思い書き綴りました。
今回は感想も交えつつ、ちょっとした小ネタも紹介していきたいと思います。
原作となる作品はこちら↓
原作となる作品「サニー 永遠の仲間たち」は2011年に韓国で公開され韓国国内観客動員740万人を記録した大ヒット作品。日本でも2012年に公開されています。
さて動員740万人とは日本で言うとどの作品ぐらい?
- 借りぐらしのアリエッティ【動員750万人/興収92.6億円】
- 子猫物語【動員750万人/興収98億円(配収54億円)】
- ジュラシック・パーク【推定動員750万人/興収128.5億円(配収83億円)】
- サニー 永遠の仲間たち【動員740万人(韓国)】
韓国国内での興行収入は掲載されてはいませんが、大体これぐらいの興行収入を日本よりも映画市場が小さい韓国で記録したということを考えるとスゴさが分かるでしょう。
大まかなあらすじ
- 主人公・奈美(篠原涼子)が仲良しグループ「サニー」の友人・芹香(板谷由夏)と久しぶりに出会う
- 芹香はガンに侵され余命1ヶ月と奈美に告白し、最後の頼みとして「サニーのメンバーにもう1度会いたい」という願いを叶えるべく奈美が動く。
- 田舎から東京に引っ越してきた転校生・奈美(広瀬)が徐々に「サニー」の存在もあって染まっていき、90年代のブームや流行を振り返っていく作品。
- 願いを叶えるべく奈美がメンバー探しを依頼した中川(リリー・フランキー)と共に動くものの、大人になったメンバーたちはそれぞれの問題を抱えており・・・。
日本版「SUNNY・・・」と本家「サニー・・・」の共通点・相違点
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」
— 上遠野 太洸 (@tai70741239) 2018年8月28日
試写を観させて頂きました。
同じ場所で、同じ空気を吸って、同じ時間を歩んだ仲間は、宝。
思い出は今を支え、未来を生きる力になる。社会に出て雁字搦めでも、何でも出来て何にでもなれた自分は間違いなくいたから。思い出そう。
皆様もぜひご覧下さい。 pic.twitter.com/o6RtxSv9B5
監督は「モテキ」「バクマン。」等で知られる大根仁氏。サブカル分野の作品を主に得意とする監督でもありますね。
この通り日本版も本家・韓国版のポスターに寄せたフライヤー(ポスター)になっています。フォントはぶっちゃけ本家の流れた感じの方が良くね?とも思わなくはないですが「ポップ」さをウリにしてますのでこういうカラフルな感じにしたのでしょうかね。
本家・韓国版は80年代、日本版は90年代を舞台に話が進んでいく。
本家の舞台となる1980年代の韓国は経済成長も発展しつつあるなか、学生による民主化運動やデモが絶えない時代でもありました。そんな時期に政策として取られた外国映画の流通やカラーテレビでの放送もこの頃から行われ始めました。そんな激動の時代を反映した作品となっているのです。
一方の日本リメイク版の舞台となる1990年代後半の日本も1980年代の韓国に負けず「コギャル」等といった女子高生が主役となっていたともいえるスゴい時代でした。
基本設定は同じ
- 主人公は田舎出身で大都市へ引っ越してきた
- グループリーダー格の友人がガンに侵されている(ただし日本版は余命1ヶ月、韓国版は2ヶ月)⇒主人公が願いをかなえるために「サニー」のメンバー探しに。
- 仲良しグループの名前は両作品ともに「サニー」
- 主人公の名前が両作品ともに「ナミ」(日本版は阿部奈美、韓国版はイム・ナミ)
主な相違点
- 扱う楽曲は日本版は90年代のJ-POP、韓国版は80年代の洋楽
- 「サニー」のメンバーは日本版6人、韓国版7人
- 韓国版における「クムオク」は日本版には登場しない
元々板谷由夏ではなく真木よう子が出演予定だった。
「サニー」のリーダー格である芹香の学生時代を演じた山本さんのあの風貌から大人になって、とてもガンで死にそうには見えない板谷さんになるの?と感じた人も多いでしょう。それもそのはず元々真木よう子がこの役を務める予定だったためです。(後に降板し板谷が代役として出演)それだとまぁ納得は確かに行きますよね。
ただ板谷さんの方が真木さんよりもリーダーっぽくは見えるのでこれはこれでアリだったのかなとは思いますね。
サブタイの「強い気持ち・強い愛」って何?
90年代を代表するアーティスト、オザケンこと小沢健二の楽曲のタイトルから由来。正直私は全くこの曲の存じ上げませんでした。
作品中でもTRFや安室ちゃんばかりが注目が集まるので敢えて小沢健二にして気を引こうという感じで当て馬感あるけどエエんか・・・と思いながら観てました。
ただ正直「SUNNY~SWEET 19 BLUES~」「SUNNY~これが私たちの生きる道~」とかの方が楽曲の知名度、作品的には内容が分かりやすかったんじゃないかな~とも。(タイトルセンス皆無や・・・)
この作品の見どころは。
キャストの個性が一人ひとり輝いている。
現代パートのキャストは篠原涼子、小池栄子、渡辺直美、ともさかりえ、板谷由夏と濃いメンツ揃い。加えてリリー・フランキーという個性の強いキャラもいるため一人ひとりが輝いていて活躍しているといっても過言ではなかろう。
一方の学生パートも負けてはいない。知名度では申し分ない広瀬すずはもちろんのこと、渡辺直美の学生時代を演じた富田望生もその一人である。私はスポ根映画好きもあって「チア☆ダン」「あさひなぐ」より富田さんの存在は知っていましたが、インパクトは作品中では群を抜いているといっても過言ではないです。今回も見事に高校パートでは一人ずば抜けて印象に残りやすい良いキャラでした。
板谷由夏の学生時代を演じた山本舞香も相当インパクトを残していました。清純派かなーと思っていたのですが、意外とヤンキーっぽさも隠しておらずあのマツコさんも将来大物になるとか言われてましたかね。山本さんは映画「恋は雨上がりのように」でも後半からちょろっと出るシーンでしたが主演の小松菜さんを食う勢いで圧倒していました。
また小池栄子、ともさかりえの学生時代を演じた野田さん、田辺さんに関しても他に比べるとインパクトは少々劣るものの雰囲気が残っている良いキャストの選ばれ方だったと思います。
そして最後に池田エライザ。「となりの怪物くん」でも唯一の花形として活躍?(違うか)していましたがやっぱスタイルの良さは私も羨ましいですなー。今作の役としてはモデルとして将来有望というのも文句ナシ。
また学生時代に登場した三浦春馬もイケメン枠で良い味を出しておりました。実写版「進撃の巨人」以降全く映画に出てこなかったので大丈夫かな?と心配にもなりましたがここのところ「銀魂2」の伊藤先生とはまた一味違うロン毛姿で性格的にもイケてる男というハマり役。最近は当たり役も多くて何よりですね。
また公式サイトではあまり紹介されていませんが、奈美の母にはキムラ緑子さんが演じる。まさか「銀魂2」「検察側の罪人」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」と3連続でお目にかかるとは思ってもいませんでした。母役ということでは「祈りの幕が下りる時」以来の役柄ですが相変わらずちょっとヤバい母親を演じるのも上手く流石です。
現代パートで奈美の娘には最近だとauのCM「意識高すぎ髙杉くん」のじゃない方、ドラマ「この世界の片隅に」で主演を務める松本穂香さん。
ちょっと違う気もするけど概ね90年代後半を再現した作品。
個人的評価:★★★★☆(3.8/5.0点)
ちょっとオーバーな部分や違う気がする?ような部分もありますが、「ポケベル」「テレクラ」「ルーズソックス」などと90年代を象徴するようなフレーズや時代背景も描いたネタもただただ懐かしいなー・・・と浸りつつも、笑いどころあり泣き所ありの作品です。
まぁ大根監督というより正直キャストや楽曲の功績がデカいかな?(もちろん監督の功績もあるのですけどね)
結構面白かったでの2回目観るか検討はしています。今後の口コミでの伸びに期待ですね。
※一応ここで終了ですが、以降はネタバレ要素で興味のある方はどうぞ。
※以降ネタバレ要素です。興味のある方だけどうぞ。
簡潔にまとめると、結果として高校時代にビデオレターで将来の自分に「自分で会社を作り社長になる」といった芹香(板谷由夏)が実際に有言実行して成功したわけで、そんな彼女に色々な問題を抱えたサニーのメンバーが助けられてスゲー!という話な気もしますね。
Q1.結局「奈々」の大人は誰が演じていたのか?
これは「サニー」のメンバーを高校時代⇒現在のキャストに整理してみました。
ところでよく考えてみると池田エライザ演じる奈々の大人役だけ紹介されていませんね。でも観た方は分かる通り「最後に大人役として出ていなかったっけ?」と思った人もいるでしょう。
すぐ状況が整理できた人は分かったと思いますが、奈々の大人役を演じたのは高校時代を演じた池田エライザさん本人です。(篠原涼子らと同学年という設定もありショートカット姿で少し大人っぽいメイクになっていました)
Q2.結局これってどういうこと?
一人だけ大人役を高校時代に演じた本人がイメチェンして登場してきた。
結局これってどういうことなのかということですが、原作となる韓国版もその辺の結末は考え方は個人に委ねるという形でどれが正解というわけではなさそうでしょうかね。
私の考え方としてはあの奈々の姿は本人ではなく他のメンバーたちに見えた幻だったという線があるのではないかと思いました。というのもモデルとしても有望だった彼女が事件で顔に大きく傷が残ってしまったショックで自殺してしまった・・・と。
ただ他の方の意見とかも見てみると生きているという説もありますしやはり人それぞれなのではないかと思います。
Q3.三浦春馬がガムが髪に付いた時に言っていた「伊東家の食卓」とは?
若い人は意外とこの番組を知らない人も多いでしょう。
伊東家の食卓は90年代後半に日本テレビで伊東四朗さん扮する父親とその家族が「日常で役立つ裏ワザ」を紹介していく番組でした。ちなみに伊東四朗さんが分からないという方には今ではテレ朝の正月番組といえる「格付けチェック」の浜ちゃんの隣にいるおじさんと言えば分かるでしょうか?
こちらもなかなか面白かったです。映画「累ーかさねー」の感想はこちら↓