日本最大級の映画の街・新宿に構えるシネマコンプレックスの1つである「新宿ピカデリー」ですが、この映画館はSMT(松竹マルチプレックスシアターズ/松竹系)の劇場です。そんな新宿ピカデリーは今年で開業10周年を迎えるということで様々なキャンペーンを実施しています。
そんなキャンペーンの一環で
「新宿ピカデリー10年間のヒット作品の中からあなたのもう一度見たい作品を募集して投票の多かった作品を秋に上映!」
というのも兼ねて、新宿ピカデリーの過去10年の年次別動員ランキングトップ10が発表されたわけです。(新宿ピカデリー1Fにて掲載してありました)
しかしこれが全国的なランキングと比べると大分偏ってるんですよね。
2017年度 新宿ピカデリー年間動員ランキングトップ10
データの見方
「タイトル」(新ピカ動員数/日本国内興行収入/日本国内興収順位)
- 美女と野獣(99,158人/約124億円/17年度1位)
- スター・ウォーズ 最後のジェダイ(45,316人/約75億円/18年度のため未確定)
- 名探偵コナン から紅の恋歌(43,853人/約69億円/17年度4位)
- 8年越しの花嫁 奇跡の実話(43,193人/約28億円/18年度のため未確定)
- SING/シング(40,439人/約51億円/17年度7位)
- 銀魂(40,271人/約38億円/17年度13位)
- 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(39,750人/約11億円/17年度58位)
- パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(36,203人/約67億円/17年度5位)
- IT イット ”それ”が見えたら、終わり(33,719人/約22億円/17年度25位)
- モアナと伝説の海(33,204人/約51億円/17年度6位)
※興行収入は映連データを参考
「スター・ウォーズ・・・」「8年越し・・・」に関しては17年12月中旬公開のため2,3週間でこの動員というわけではないでしょうから恐らく
17年に公開した作品の動員ランキング
ということでしょうかね。
まぁ興行収入を考えれば妥当というものが勿論多いですが、疑問に思った作品もあるでしょう。今回は他とはちょっと特殊な作品を一部挙げていきます。
8年越しの花嫁は50億クラスが犇めく中堂々の4位に君臨。なぜ?
佐藤健×土屋太鳳が共演した実話を基としたいわゆる「余命モノ」作品。ヒットしたとはいえ興収28億ぐらいですし年間4位に入っちゃうの?!と思う人もいるかもしれませんがこれが新宿ピカデリーのちょっと特殊な事情でもあります。
こんなにも新宿ピカデリーで動員できた理由は簡単で
新宿エリアでは新ピカでしかやってないからです。
これはこの後紹介する作品にも言えることかもしれませんね。
例えば同じく17年公開・余命モノの作品で「8年越しの花嫁・・・」を上回る約35億のヒットとなった「君の膵臓をたべたい」は新宿ピカデリーでは年間動員トップ10にはランクインしなかった。というのもこの作品は東宝配給で新宿ピカデリー以外にも「TOHOシネマズ新宿」「新宿バルト9」でも公開しており新宿エリアでも分散していたためです。一方の「8年越し・・・」は松竹配給で基本的に新宿ピカデリーでしか上映しないため集中するなどといった傾向もあるわけです。
「黒子のバスケ・・・」は1つの劇場で興収全体の5~10%ぐらいを稼いでいる計算?
さらに驚くべきことは興行収入約11億円程度の「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」がなんと7位にランキングしていることです。興行収入を考えると「8年越しの花嫁」以上の特殊っぷりです。何故7位にランクインできたかというと様々な要因がある。
- 公開規模が小さいためもとより1つの劇場に集中する傾向が高い
- 新宿ピカデリーはいわゆるチェーンマスターであるということ
これも相まって他の映画館では考えられない動員も出来たわけです。
どんどん過去にさかのぼっていこうかと思っていましたが意外とボリュームがあったのでこのあとはまたの機会にします。TOHOシネマズ新宿、新宿バルト9にもこのような動員ランキングがあったら大分映画館によって変わりそうですし見てみたいですね。