映画「万引き家族」は何故観客とメディアを惹きつけるのか?【鑑賞した感想】

もっとも有名な映画祭とも言われるカンヌ国際映画祭”の最高賞・パルムドールを受賞したことも話題となり、現在35億を超える大ヒットとなっている万引き家族是枝裕和監督)」ですが何故ここまでの大ヒットとなったのでしょうか?個人的に論点を挙げて考察していきたいと思います。

1.作品情報

万引き家族【映画小説化作品】

 

是枝氏といえば河瀨直美氏と揃って賞狙いともいわれる監督。

監督の是枝さんの作品は大体海外の映画祭に出品しており、良くも悪くも賞狙いの監督というイメージも強い。実際に一覧にしてみると結構な量です。

監督の近年の受賞歴(赤字は主要映画祭での受賞作品)

監督作品の興行成績

 

2.カンヌ国際映画祭での受賞はやはり日本でも相当影響が大きい?

是枝監督はいわゆる「アート作品」を主に手掛ける方であまり興行成績にはつながらないことも多いでしたが、そのイメージが一変したのがそして父になるの存在。

普通の人に「○○映画祭■■賞受賞!」と言われても??と感じる人も多いでしょうが、やはり有名な映画祭でもあるカンヌ国際映画祭の○○賞受賞!」と言われると気になる人も多いのではないでしょうか。

そして父になる

カンヌ国際映画祭「審査員賞」受賞効果は大きかった

この受賞を受けてメディアでも大きく取り上げられ、また公開日を前倒しにするかつ公開規模も直前に300館規模へと拡大してまさに「万全の体制」ともいえる結果で臨み約32億の大ヒットとなったわけです。

そんな審査員賞を超える最高賞「パルムドールを受賞した万引き家族がヒットするのは必然だったのかもしれません。

 

もちろん万引き家族も・・・

パルムドール受賞は日本人監督としては1997年の「うなぎ」(今村昌平監督)以来、21年振りの快挙ということもあってメディアでもかなり取り上げられ話題性は十二分といえるほど。

とはいえそんな「うなぎ」は現在の興行収入に換算(当時は配給収入)しても10億は到達していないので受賞したからといってヒットするわけでもないので、やはり受賞を受けてからの対応力と作品に力があったというのもあるでしょう。

 

3.何故ヒットとなったのか?ここからは作品の評価も交えて考察。

そんな大ヒット中の「万引き家族」ですが、映画レビューサイトの評価をみても高評価も多い一方、やはり面白さが分からないという厳しい評価も多い。大ヒットしてるから総じて評価が高いというわけでもないわけです。

Yahoo!映画の「万引き家族」公開当時に上映されていた作品でのレビュー比較(満点5.00点)

  1. 恋は雨上がりのように(4.26点)
  2. 名探偵コナン ゼロの執行人(4.14点)
  3. 空飛ぶタイヤ(4.07点)
  4. デッドプール2(4.06点)
  5. 羊と鋼の森(3.97点)
  6. OVER DRIVE(3.93点)
  7. 50回目のファーストキス(3.87点)
  8. 万引き家族(3.86点)

「フィルマークス」の公開当時に上映されていた主な作品でのレビュー比較(満点5.0点)

  1. 万引き家族(4.1点)
  2. デッドプール2(4.1点)
  3. 50回目のファーストキス(3.9点)
  4. 恋は雨上がりのように(3.9点)
  5. 名探偵コナン ゼロの執行人(3.8点)
  6. 空飛ぶタイヤ(3.7点)
  7. 羊と鋼の森(3.6点)

※7月13日時点の情報。

映画好きのレビューが集まることでも割と知られている「フィルマークス」ではやはり4.1点と評価は高め。一方で「Yahoo!映画」では下の方(それでも十分高いんですけどね)と両極端。やはり観た人の分母が多いということもありますが結構意見が分かれているようです。

 

4.口コミに多くある論点となるシーンは?(以下ネタバレ注意)

不謹慎ながら公開当初には「目黒5歳児虐待死事件」「リアル万引き家族逮捕」等といったあまりにも作品内容的に似たような話題が続いたこともあって

とても考えさせられる作品

という高評価の声も多い。一方でこのシーンは必要なのか?という声も多かった。

映画でありながら「日常」のようなを描いた作品

フィクションでありながら現実に入り込んだようなリアリティある世界観を忠実に描かれている。一見現実っぽく見せるのは簡単そうですがこれが意外と再現するのは難しいんですよね。

PG12でも足りない?予想に反して「エロシーン」満載の作品

万引き家族」には一応PG12(12歳未満は保護者同伴が望ましい)という指定が付いていますが正直小学生が見るような作品でもないけど、このレベルだと見せるには抵抗ある保護者も多いんでは?と思う中々過激なエロシーンもちらほら。

また予告では一切そんなエロシーンがありそうな雰囲気の作りではないため、実際に観てみると「あれっ・・・?」と感じた人も多かったようです。なかにはこのシーン目当てで観に行っている人もいれば、無駄なシーンと感じた人も多いようでこれまた賛否両論のようです。

正直個人的なことを言えばリリー&安藤サクラ夫婦のヤッてるシーンとか松岡茉優のサービスシーンとか誰得なんや・・・?と思わなくもないですが、これを目当てに楽しんでる人も結構いるのでなんとも言えませんね。

終わり方がやはり賛否両論?

是枝監督らしいのではありますが「終わり方がモヤっとしててスッキリしない・・・」というのは賛否両論となる要因の1つでしょう。このあと余韻が残ってあれこれ考えられる人にとって見ればそれも含めて楽しめる作品となりますが、結果がスッキリしないのが苦手な人にしてみればやはり納得のいかない作りではあるでしょうね。

 

総評

これ以上ダラダラ感想を書くとボロっとエグいことも書きそうなので止めておきますが、あくまで個人的な意見としては

個人的にはとても考えさせられる作品だったが、群を抜く面白さでは無ければやはり万人受けする作品ではなかった

ってところでしょうかね。以前ランキング付けした通り他にも今年は良作が多かったのでベスト10に入るような面白さではなかったかなー・・・と。正直「三度目の殺人」「そして父になる」とかの方が割と楽しめたかと思います。