今更ながら今年の結果から昨年の閑散期の映画業界を振り返る。

今年の5月の映画興行はかなり冷え込んだ寂しい結果でした。 

【映画パンフレット】名探偵コナンゼロの執行人

名探偵コナン ゼロの執行人」が5月27日現在で興行収入75億円を突破しておりシリーズ過去最高記録更新はもちろんのこと、2018年度興行収入ランキングトップを目指す勢いで80億円突破も時間の問題でしょう。最終はあの社会化現象レベルでもあった映画「シン・ゴジラ」を優に超える85億円すら見込めるのではないかと私は思います。

そんなコナンはV7(7週連続週末興行ランキング1位)を達成しており、もちろんめでたいことですし素晴らしいことですが映画興行的にはあまりめでたいとは言い難い結果です。というのも本来ならコナンをあっさり抜くぐらい他の作品も興行成績として頑張ってほしいからです。

昨年は大ヒット作品3本の存在も大きく、その後の興行にも影響?

というのも昨年は「美女と野獣(興行収入約120億円)」「名探偵コナン から紅の恋歌(興行収入約69億円)」「ワイルド・スピードICE BREAK(興行収入約40億円)」と大ヒットレベルの作品がゴロゴロいたわけです。

美女と野獣 (字幕版)

劇場版名探偵コナン から紅の恋歌 (BD) [通常盤] [Blu-ray]

ワイルド・スピード ICE BREAK (字幕版)

他にも「帝一の國」が口コミ効果もあって20億弱のヒット、更に閑散期と言われる6月に公開した「昼顔」「22年目の告白~私が殺人犯です~」がそれぞれ20億超えのヒットとなって夏になるまでも中々映画業界は盛り上がっていました。

帝一の國

昼顔

22年目の告白?私が殺人犯です?

特に「昼顔」「22年目・・・」に関してはGWの時期に「美女と野獣」「ワイスピ」といった作品で予告を見て興味を持って閑散期にもかかわらず映画館へ出向いた方も多かったのではないかと個人的には思います。そんなわけで昨年の5・6月はなんだかんだ閑散期と言われる時期ではありましたが例年よりも相乗効果で盛り上がってはいたわけです。

 

今年は稀に見るかなり厳しい閑散期?特に東宝は・・・

そんな昨年の今頃の盛り上がりっぷりをみると、それとは対称的に今年の5・6月はかなり厳しい状況となっています。やはり40億を超える大ヒット作品がコナンだけでは予告を目にする人(=すなわち新たに作品に興味を持ってもらえる機会)が減ってしまうわけです。

2017年GW~6月末の主な作品の興行成績

  1. 美女と野獣【ディズニー】(興収約124億円)
  2. 名探偵コナン から紅の恋歌東宝】(興収約69億円)
  3. ワイルド・スピード ICE BREAK東宝東和】(興収約40億円)
  4. 22年目の告白~私が殺人犯です~【ワーナー】(興収約24億円)
  5. 昼顔【東宝】(興収約23億円)
  6. 帝一の國東宝】(興収約19億円)
  7. 映画クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ東宝】(興収約17億円)
  8. 追憶【東宝】(興収約11億円)
  9. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス【ディズニー】(興収約11億円)

 

2018年GW~6月末までの主な作品の興行成績

  1. 名探偵コナン ゼロの執行人東宝】(最終85億?)
  2. アベンジャーズ インフィニティ・ウォー【ディズニー】(最終40億?)
  3. レディ・プレイヤー1【ワーナー】(最終25~27億?)
  4. 映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ拉麺大乱【東宝】(最終18億?)
  5. ラプラスの魔女東宝】(最終14~15億?)
  6. 妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ【松竹】(最終10億前後?)
  7. ピーターラビットソニー】(最終10億前後?)

お気づきになったかもしれないですが「コナン」は頑張っているにしても、その他の作品が昨年のようにはなかなか良い成績には繋がらないわけです。ましてや6・7番目の「家族・・・」「ピーターラビット」にしても現状のままだとギリギリ10億突破するか否かというかなり厳しい状況です。

昨年から最もショックが大きいのは東宝

昨年の盛況ぶりから一転してかなり厳しい状況となっているのが国内最大手配給会社である「東宝」です。東宝配給作品の昨年の今頃はどんな状況だったかというと・・・

※赤字で示した作品は興行収入10億円以下の作品。

東宝配給作品であれば興行収入10億円はノルマとして欲しいところですが、GW公開で7億円を記録してしまった「3月のライオン」はさておいても、5月末の閑散期に公開した「ちょっと・・・」でさえも9億円は稼いでいたのでまだマシといえる成績です。

 

一方で今年の東宝配給作品の成績はというと・・・

※赤字は興行収入10億円を超えるのが厳しそうな作品。

そもそも公開本数多すぎじゃね?という点もありますが、現状だけでも4本が厳しい状況となっています。

観た人には結構評判の良い作品も多いんですけどね・・・

ただし興行成績が悪いからといって出来が悪いというわけでもないようです。

実写化映画で佐藤健出演ということもあって安定感のあったいぬやしき帝一の國と同じ永井聡氏が監督が務めた恋は雨上がりのようには評判に関しては決してそこまで悪くはない(というかむしろ結構良い?)のですが、やはり出来がよくても世間的に需要がなければゼロと一緒ですからそこが興行の難しいところではあるんですよね。

【映画パンフレット】 いぬやしき INUYASHIKI 

【チラシ付き、映画パンフレット】恋は雨上がりのように 監督 永井聡 キャスト 小松菜奈, 大泉洋, 清野菜名, 磯村勇斗, 葉山奨之, 松本穂香, 山本舞香, 濱田マリ

低迷しているのはもちろん東宝作品に限ったことではなくその他邦画、洋画にしても寂しい状況が続いていることに変わりはありませんね。

 

これからそんな暗雲が立ち込める映画業界を救う作品は出てくる?

正直「いぬやしき」「ランペイジ 巨獣大乱闘」「恋は雨上がりのように」といった作品がヒットすると思っていた私なんで全くアテにはならないですが、僅かな希望となりうる作品は以下の作品でしょうか?

個人的には「OVER DRIVE オーバードライブ」「50回目のファーストキス」といった作品にも期待はしているのですが興行面で言うと中々厳しそうですね。

個人的な希望としては・・・(完全にただの個人的希望でしかないですが)

やはり昨年の「昼顔」「22年目の告白」みたいな作品は欲しいところですねー。カンヌ国際映画祭パルムドール【最高賞】を受賞した万引き家族是枝裕和監督)、天皇皇后両陛下が鑑賞になられた羊と鋼の森に期待したいところですかね。

半沢直樹等で知られる池井戸潤氏の初映画化作品空飛ぶタイヤは映画でも数字を残してくれるかも期待したいところです。

恋は雨上がりのように」「OVER DRIVE オーバードライブ」「50回目のファーストキスに関しては評判は良いので口コミで伸びることに期待はしたいですね。